キリマンジャロ紹介

E.Hemingwayの『キリマンジャロの雪』に次の一節がある。
---キリマンジャロは、高さ19,710フィートの雪に覆われた山で、アフリカ第一の高峰だといわれる。その西の頂はマサイ語で「Ngaje Ngai(神の家)」と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、干からびて凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたのか、今まで誰も説明したものはいない。(滝口直太郎訳)
キリマンジャロはアフリカ大陸の最高峰で、縦50km、横30kmと東南東方向に楕円形に広がった火山である。西からシラ峰、キボ峰、マウェンジ峰の三つの峰が並んでいる。中央のキボ峰が最高峰(ウルフ・ピーク:5895m)で、最も美しい。全体としては、なだらかなコニーデ型の山で、富士山を大きく、かつ平べったくしたような姿をしている。
キリマンジャロは、スワヒリ語でKilima-丘、njaro-輝くの意味があり「輝ける山」と呼ばれ、その名の通り、一年中、山頂付近に氷河や氷雪をいただいている。ほぼ赤道直下にある山なのに、氷河があるということで有名だ。
最高点のウルフ(独立の意)・ピークには、「我々は、かなた国境に輝くキリマンジャロ山頂に、灯火をかかげよう。絶望あるところに希望を、憎悪あるところに尊厳を与えるために・・・」と書かれたレリーフがあり、キリマンジャロは、1960年代アフリカ植民地独立の象徴でもあった。